ハノマン通りのランド・マーク的存在で朝から夜まで欧米人で賑わう人気のオーガニック・カフェ。
こんにちは、バリ島ナビです。レストランやホテル、ショップの立ち並ぶ、ウブドのモンキーフォレスト通りの東、その、モンキーフォレスト通りと並行して走るハヌマン通りは、続々と新しいお店がオープンしている最近注目のストリートです。しばらく前までハヌマン通りを歩いていると、そこここに田んぼの景色が眺められもしたものですが、今では通り添いに立ち並ぶお店やレスントラン。とはいえ、お店にはさまれた民家の入口からはしゃいだ子供たちが飛び出してきたり、お供え物を作りながらなにやらおしゃべりする女性たちの姿が見られたり、バリ人の普段の生活を目にすることもできるハヌマン通り。このハヌマン通りのちょうど中ほどに、一日中欧米人で賑わっているお店があります。今日ご紹介する「カフェ」という名前のカフェ。
ヘルシーフードとライフスタイルをウブドの中心から発信する「カフェ」。ここでは朝の7時半からたっぷりのオーガニック野菜や焼きたてパンの朝ごはん、サンドイッチにスープ、ケーキやキッシュなどのヘルシーメニューを味わうことができます。今はオフィスとなっているお店の2階には以前、ヨガスタジオがありました(現在はウブドの南プンゴセカンに、独立したヨガスタジオ「ヨガバーン」を展開中)。ヨガスタジオに通う人たちにとって、「カフェ」のメニューは安心していただけるオーガニック野菜中心。健康志向の欧米人にとって、このお店の登場は長らく待ち望まれていたものだったのです。
バリには生野菜を食べる習慣がありません。一年中暑い気候と、食品保存や流通経路が整っていなかったせいもあり、ウブドでは、生野菜サラダというものをレストランのメニューで探すのはついこの間まで大変難しいことでした。そんなウブドでこちらの「カフェ」がオープンしたのは2005年。オーガニック野菜を使ったヘルシーフードを提供するカフェレストランとして、一躍欧米人のハートをつかみました。今はウブドのあちらこちらで行われている「オーガニックマーケット」も最初に開催したのはここ「カフェ」だったのです。
たっぷりの野菜を心ゆくまで味わいたければ、迷わず注文するのは、やっぱりサラダでしょう。お店のアメリカ人オーナーの名前をつけた「メグのビッグボウルサラダ」(3万6000ルピア+15%)レタス、きゅうり、トマト、ピーマン、玉ねぎ、人参、もやし、ビーツなどなどの野菜に、厚揚げとテンペがたっぷり入ったサラダ。マヨネーズのように見えるどろりとしたドレッシングは実は大豆とオリーブオイルで作ったベジタリアンなドレッシング。ボリュームたっぷりでこれだけでお腹いっぱいになれるサラダです。
「野菜だけでは・・・」とおっしゃる方へ。ご安心ください。カフェには「ヘルシーな」動物性のメニューもちゃんとあります。こちらは「マドラス ツナサラダ サンドイッチ」(3万5000ルピア+15%)ほんのりカレー味のツナフレークをクロワッサンでサンドイッチにしました。カレー味のツナの上に乗っているのは、葡萄。甘酸っぱい葡萄と、カレー味のコンビネーションが爽やかです。
「本日のスペシャルメニュー」からオーダーしたのは、「洋ナシのパンケーキ」(2万9000ルピア+15%)こちらはボリュームたっぷり。ふんわり、というよりもかなりもちもちの、食べ応えじゅうぶんなパンケーキに、甘さおさえめのキャラメルソース。洋ナシの酸味がアクセントになって、パンケーキ、キャラメルソース、洋ナシと、三者の相性ぴったりのスイーツメニューです。
「ブレックファストメニュー」からもオーダーしてみました。「ヘルシーエッグスクランブル」(2万7000ルピア+15%)です。もちろん使用しているのはオーガニックの卵。じゃがいも、ピーマン、ベーコンと一緒に卵をスクランブルし、トッピングにはルッコラ。味付けはごくごく薄味なので、オーガニック卵そのものの味を最後まで楽しめます。
店内のショウケースの中にはおいしそうな焼き立てパンやスイーツが並んでいます。どれもひときれのボリュームたっぷりなので、軽い朝ごはんならどれか一枚でじゅうぶんかもしれません。こちらは焼きたての「フェッタ・キッシュ」(1万8000ルピア+15%)。ほうれんそうとフェッタチーズのフィリングを包むキッシュ生地から、ほんのり立ち上がるバターの香りが嬉しいメニューです。
朝早くから欧米人旅行者やウブド在住欧米人が次々とやってくる「カフェ」。「カフェ」マネージャーのフランキーさんと、スタッフのエニーさんに、お話を伺いました。
「『カフェ』のコンセプトは、『南の島のサンフランシスコビストロ』です。」
とフランキーさん。
「カフェというのはただお茶を飲むだけのためのものではありません。そこにはもちろんおいしい食べ物もあるし、フレンドリーなスタッフもいるし、居心地のいい空間と時間がある。人々は一日の間のある時間に、その居心地のいい空気を味わうために、わざわざお茶を飲むためだけにでもそこへ通ってくるんです。」
「我々のお客様は、ほぼ毎日のように通ってきてくださるお客様がほとんどです。だから我々スタッフもお客様のことがわかっている。この方はコーヒーはブラックで召し上がるとか、ミルクを多めになさるのがお好きだ、とか、料理にお塩を使わないとか、それぞれのお客様の求めることをスタッフもわかっていて、だからお客様とスタッフの間に信頼関係のようなものが生まれるんです。ただのお客と従業員という関係以上のもっとフレンドリーなスタイル、そしてお客様を満足させるお料理のいろいろ、そういったものを揃えている、といった意味で、我々はこの『カフェ』を『南の島のサンフランシス・コビストロ』と言っているんです。」
「カフェ」の店内は、温かみのある木で作った家具がゆったりと配置されています。これらの木は、同じオーナーが営むお隣の民芸品ショップ「テグン・ギャラリー」で扱う、リサイクル木材で作られた手作り品。人工的な素材をなるべく排除して、環境や地球に優しいライフスタイルを提唱する「カフェ」ならではの、ぬくもりにあふれたインテリアです。
「カフェ」の一角には、「カフェ・カラス」というコーナーがあります。こちらでは、バリ、そしてインドネシアのあちらこちらで作られている、環境とカラダに優しいいろいろな商品が売られています。ココナッツで作った石鹸やオイル、エコバッグ、自然素材のおもちゃや小物などなど。
「これらは我々がインドネシアのあちこちで見つけてきた、環境に優しい製品です。インドネシアの中で、環境持続性に貢献するごくごく小規模の地元の企業もしくは個人によって作られている自然食品やエコ製品や健康食品などです。これらの売上の一部は、我々が展開しているバリのプロジェクトのための資金として活用されています。」
「カフェ」がスポンサーとなっているのは「Say No Plastic」というプロジェクト。これはバリで大きな社会問題となりつつある「ゴミ問題」を解決するためのひとつのプロジェクトです。「カフェ」では年々増えるバリのゴミに注目。この「ゴミ問題」を解決するために、まず第一段階として、できるだけビニール袋の使用を減らすことを目的に、現在は外国人ボランティアを中心に、あちこちに啓蒙運動を行っています。そしてこの「カフェ・カラス」での売上金の一部は、この「Say No Plastic」プロジェクトの活動資金として使われているのだそうです。
新鮮な野菜や果物を素材にヘルシーメニューを提供する「カフェ」は、ヘルシーフードのみならず、ストレスのない調和のとれたライフスタイルを提唱しています。それは広い意味で地球の環境までにも注意をはらって、人々が調和して暮らすこと。「バリではどこで買い物をしてもビニール袋に入れて商品を渡されます。それが溜まり溜まってゴミになる。だからウブド在住者はもちろんのこと、旅行でいらした観光客のみなさんにも、バリのゴミ事情というものを知っていただきたい。勇気を持って、ビニール袋は要りません、と言っていただきたい。まず我々のプロジェクトを知っていただきたいと思います。お買い物にはエコバッグを使ってください。『カフェ・カラス』ではエコバッグはもちろん、自然素材を利用したおしゃれなバッグもたくさん取り揃えています。」
とフランキーさん。
ヘルシーなライフスタイルを提唱する「カフェ」。できうるかぎり、オーガニックでフレッシュな素材にこだわったヘルシーフードメニューは、アンテナの高いウブド在住欧米人たちから圧倒的な支持を受けていると言っていいでしょう。今日もハヌマン通りの「カフェ」は、憩いの時間を過ごす欧米人で賑わっているのです。以上バリ島ナビでした!