バリ・ヒンドゥの総本山として、人々の厚い信仰に守られる、神聖な場所。宗教的催しが多い場所でもあります。
アパ・カバール、バリ島ナビです!バリ島の方角は、聖なる山であるアグン山に向かって定められていて、全てのヒンドゥー教徒がこの神聖な山に向かって祈りを捧げます。そしてその聖なる山・アグン山の中腹に位置するのが、バリ・ヒンドゥー教総本山であるブサキ寺院なのです。
ブサキ寺院の歴史
ブサキ寺院遠景
ブサキ寺院の建立及び歴史に関しては諸説ありますが、8世紀頃に東ジャワの高僧であるルシ・マルカンディアが瞑想中に『東の太陽が昇る方角にある島へ渡り寺院を建立し、ヒンドゥー教の布教に務めるように』と御神託を受けました。
当時まだトランキール山(またはパルワタ山)と呼ばれたアグン山に800人の信徒と共にやってきたルシ・マルカンディアの第一陣には大きな災いが立ちはだかり、任務を全うすることができませんでした。第二陣の400人と共に再度バリを訪れた際には、パンチャ・ダトゥと呼ばれる5種類の金属と宝石を寺院となる場所に埋めてから建立作業を始め、無事に寺院を造ることに成功しました。その一番最初の寺院が駐車場から入ってすぐの下の広場近くにある『バスキアン・プセー・ジャガット』と言われています。その後現在のブサキ寺院の中心となる『プナタラン・アグン・ブサキ寺院』が建立され、現在のブサキ寺院の形態となりました。
一番最初に建立されたという Pura Basukian Puseh Jagat
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後から建てられたプナタラン・アグン・ブサキ寺院とその他の寺院
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複合寺院であるブサキ寺院
プナタラン・アグン・ブサキ寺院の周りにはたくさんの氏寺が
ブサキ寺院は30程の寺院の集まる複合寺院と呼ばれていますが、最初に建立されたバスキアン・プセー・ジャガット寺院以外にも、プナタラン・アグン・ブサキ寺院の周りにはたくさんの小さな寺院が集まっています。それらの寺院はプダルマンと呼ばれ、バリの各血筋毎の氏寺を祀っていますが、パンデ、ラトゥ・ドゥコー、パセッ、プニャリカン、(クサトリア)などの、マジャパヒット王朝時代の王家の従者の氏寺が当初に設置された寺院で、そこからどんどん細かな家系へと繋がっています。
ブサキ寺院の本陣であるプナタラン・アグン・ブサキ寺院
ブサキ寺院の中心であるプナタラン・アグン・ブサキ寺院では、バリ・ヒンドゥー教のトゥリ・ムルティ、三大神であるブラフマ、シワ、ウィシュヌが祀られています。三大神が祀られるパドマサナの前にバリ各地から人々が集まり、お供え物を供えて祈りを捧げます。
プナタラン・アグン・ブサキ寺院はトゥリ・ムルティを祀るということもできますが、それ以外にもシワを祀るお寺であるとも言えます。そしてこのプナタラン・アグン・ブサキ寺院の周辺には、ブラフマ(Bamadewa)を祀るキドゥリン・クレテッグ寺院、ウィシュヌ(agora)を祀るバトゥ・マデッグ寺院、イスワラ(sadyojata)を祭るグラップ寺院、マハデワ(tatpurusha)を祀るウルンクルクル寺院などがあります。
旅行者の参拝と注意点
料金所
バリヒンドゥー教の総本山であるブサキ寺院。もちろん外国人旅行者も、旅行中に一度は訪れてみたいと思いますよね。しかし、ブサキ寺院は残念なことに外国人旅行者にとって非常に悪評の高い、トラブルが多い場所としても有名
…でした。と、希望も込めて過去形で書いておきます。
以前は個人旅行はもちろんのこと、旅行会社のツアーでガイドと同行しても、ガイドは寺院内に入れず、ローカルガイドを法外な値段でつけて寺院内を回るしかなく、寺院内では物売りに囲まれ、お祈りをした後には、これまた法外な値段でお供え物の値段をふっかけてくるおばさんなど、とにかく悪評ばかり。一時期は旅行会社もブサキ寺院へのツアーを中止していました。
しかし、ナビ個人の意見ですが、ここ1~2年の間に随分とブサキ寺院周辺の人々も変わってきています。自信を持って『安心です!』とは言えませんが、ナビがこの何年かの間に何度か訪れた際には、物売りは若干寄っては来るものの、随分と平和な雰囲気が戻ってきているようでした。
中には個人でブサキ寺院を訪れたいという方もいらっしゃるだろうと思うので、最新情報(2015年1月現在)を書いておくと、まずブサキ寺院へ訪れる際には寺院手前の道路真ん中に料金所が出てきます。ここで駐車料金を払い奥へ進みますが、奥で再度お金を払う必要はありません。そして道路左脇には旅行者向けの見学料を払うカウンターが。2015年1月現在で1人1万5000ルピアとなっていました。
駐車場から寺院入口までは、たくさんのお店が並んでいます。バリ島一の寺院ですので、参拝に訪れるバリ人でも、この売店で買い物をすると、通常より高い値段で買い物をします。日本の観光地と同じですね。参拝のために帯やサルン(腰巻)などを購入する際には、やはり外国人旅行者には高値で提示されます。それが嫌な場合は、事前に宿泊ホテル周辺で購入してから行くのがいいでしょう。
バリ島で一番大きな寺院祭礼 ブサキ寺院のオダラン!
お祭りの装飾が美しいブサキ寺院
ブサキ寺院は複合寺院であるため、各寺院がオダランと呼ばれる寺院祭礼を行います。しかし、1年に1度、全ての寺院の祭礼、全ての神様がブサキ寺院に下りていらっしゃるという祭礼が執り行われます。『Betara Turung Kabe』というこの儀式は、まさに『全ての神様が下りる』という意味で、その期間中はブサキ寺院で一番というよりも、バリで一番大きな儀式となり、連日連夜大勢の参拝客で溢れ、とても賑やかで荘厳な雰囲気の溢れる期間となります。毎年日程が変わるため、詳細に関しては最新ニュース欄でお知らせしますので、日程が合う方は是非足を運んでみてはいかがでしょうか。ただし!ものすごい人出でブサキ寺院までの道中は大渋滞が発生するのでご注意くださいね。
寺院祭礼中は大勢の参拝客でにぎわいます
『ブタロ・トゥルン・カベ』は、ご神体のお清めから始まります。天界から下りていらした神様をお神輿に乗せ、エサーという聖水の湧き出る泉まで行ってお清めを行います。その後ブサキ寺院まで戻り、様々な儀式や奉納舞踊などが行われます。
リピーターさんには悪評の高い、ビギナーさんには短い日程ではちょっと遠い場所ではありますが、それでもやっぱりバリ・ヒンドゥー教総本山のるブサキ寺院は、是非バリに来たなら一度は訪れていただきたい寺院。ただ行くだけでは単なる大きいお寺にしか思えないかもしれませんが、ブサキ寺院にはこんな歴史があり、中の寺院にはこんな意味があるとわかれば、より楽しんでいただけるのではないでしょうか。また、ブサキ寺院から見下ろすバリの景色もまた美しい!聖なる山アグン山でバリの神様にご挨拶をするというのステキですよね。バリ島のパワー・スポットでもあるブサキ寺院。是非ご参拝ください。以上バリ島ナビでした、サンパイ・ジュンパ~!