サンセットが美しいバリ島南端に位置する寺院。夕闇に演じられるケチャダンスも見どころ。
こんにちは、バリ島ナビです。バリを訪れたなら、ぜひ1度は、雄大な海に太陽が沈むサンセットを見に行く事をおすすめします。今回は、バリの3大サンセット鑑賞ポイントとして、タナロット寺院、クタ・ビーチと並んで挙げられるウルワツ寺院を訪れ、その楽しみ方をご紹介しましょう。
バリ島の南端、バドゥン半島、その南西のはずれにあるウルワツ寺院。クタを出発し、ジンバランまで約5キロバイパスを南下、ジンバランからは約10kmの一本道ジャラン・ラヤ・ウルワツ(ラヤ・ウルワツ通り)に入ります。すれ違う車や人もまばらで、道幅も広く、素朴な民家や牛たちが草をはむのどかな風景がずっと続く気持ちのいいドライブです。この道のたどり着く先が、ウルワツ寺院、到着です。
寺院の駐車場に車を止めますが、ここからは野生のサルに注意しながらの散策になります。バリには、ウブドのモンキーフォレストやサンゲエ村の寺院など、野生のサルと出会える場所がいくつもありますが、ここウルワツ寺院のサルは特に強気で観光客の持ち物などを引ったくって行ってしまいます。帽子や子供さんのおもちゃ、カメラケース、大きく目立つアクセサリーなど、サルの好奇心を刺激しそうなモノや、取られたら困るモノは車に置いて行きましょう。寺院の境内には食べ物や飲み物の売店がありません。(サルたちに食べられてしまうからでしょう…)ですから、ミネラルウォーターだけはサルの目につかないようにカバンの底にしっかりとかくして、ぜひ、持って入りましょう。
駐車場のすぐそばにある山門で入場料を払い、腰に結わえるスレンダンと言う帯を借りて巻きます。観光地である事はもちろんですが、ここはバリ・ヒンドゥー教の寺院です。丈の短いズボンやスカートをはいて来た方は帯と一緒にサロンという腰巻も借りて足を隠してから入場する必要があります。
入場するとすぐ、参道の左右に1人ずつ、サルの餌にする果物を売っている、この村のおばあさんたちがいます。動物好きな方なら2~3袋買いましょう。ナビは・・・遠慮しておきます(笑)日中から午後3時頃までは、サルたちも暑いのでしょう、境内のヤブの中や寺院の建物の天井近くなどに集まっているので、帽子などを取られて悲鳴をあげるお客さんはまだいない様子です・・・が、昼間でも木陰になっている参道付近には子ザルたちが集まって餌をもらったり遊んだりしています。油断して、ここで「あ~暑い」なんてミネラルウォーターでも取り出せば、電光石火の早業(?)で持っていかれてしまいます、ホントにご注意、ご注意。
5分も歩くと視界が開ける広場に出ます。真っ青な海と空の絶景に吸い寄せられるように誰もが写真を撮り始めてしまいます。ここから右側に階段を登るとウルワツ寺院の本殿。海を眺めながら続く塀にそって左に進むとケチャッ・ダンス公演の会場です。今日はダンス公演が始まるまでにまだ時間があるので、階段を登って寺院とこの半島の絶景を見に行きましょう。登りながらもどんどこ写真が撮りたくなりますね。絶景、絶景!この広場にも、寺院内のあちこちにも、柵や塀がなく、崖ぎりぎりまで出られる場所があります。さえぎる物なく記念撮影ができたり、スペクタクルを感じる高さ70mの崖や、崖に打ち寄せるインド洋の美しい波しぶきを体感することはできますが、あくまでも自己責任の範囲内で安全には十分留意して見学しましょう。
ウルワツ寺院の門に到着です。この半島で切り出された珊瑚性の石灰岩にガネーシャ(頭が象で体は人間という姿のヒンドゥー神)が彫られています。ガネーシャも現在のモチーフとは趣きが異なっていて面白いですね。ちなみにこのお寺、開祖は10世紀にここを訪れた高僧ウンプ・クトゥラン、その後、16世紀には高僧ニラルタが訪れて、本殿にある最高神を祭る三重塔(メル)がを建立した…という大変歴史ある寺院です。
ウルワツ寺院の石彫りの門
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これが「三重塔(メル)」
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門に注意書きもありますが、境内に入れるのは正装をしてお参りに来た信徒だけです。欧米からの観光客のおじいさんが、「ぜひ入って見てみたかった。」とガイドさんに残念そうに話しています。ナビは以前、満月の日の夕方、ここでお祈りをさせていただいたことがあります…が、サルよけの棒を持ったお兄さんについてもらわないと安心してお祈りができない…という状況に「他のお寺ではこんなことないなあ…」と関心したのを覚えています。
今日はまだ時間があるので、このお寺の門の右脇の小道からもっとこの絶壁半島を眺められる遊歩道に出ようと思います。
崖に沿って向こうの半島の突端まで続く遊歩道
左側にインド洋を眺めつつ、遊歩道を進んで行きます右側には色とりどりの花が咲き、大きな蝶も舞っています。途中バレと呼ばれる休憩小屋もありますので、疲れたら、無理せず腰をおろしましょう。石畳になっている道は全体の2/3くらいでしょうか。半島の突端付近は赤土のでこぼこ道、転ばないように気をつけましょう・・・ちょっと気になったのがあちこちに落ちている帽子やサングラスのレンズ部分。多分サルたちがお客さんから取ってここまで持って来てバラバラにして遊んだ跡だと思います。ホントに気をつけましょう。
ついに遊歩道の終点です。ここもまた、柵や塀なしに崖をのぞき込むことができます。日差しも強くて暑いし、遊歩道も登り降りの連続でちょっとしたトレッキング気分が味わえます。でも、時間があって、お天気がよいなら、ぜひここまで足を伸ばしてこの絶景を直に見てみてくださいね。オススメです。
舗装されていない遊歩道
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遊歩道の終点
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このパノラマビュー!
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絶景~!!
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さてそろそろケチャッ・ダンス鑑賞のために寺院の下の広場まで戻るとします。帰り道は遊歩道から、崖下のサーフポイントで厳しそうな波に挑戦していた2人組のサーファーを応援しながらの散歩でした。
広場に戻ってくるとケチャッ・ダンスのチケットが売られていました。さっそく購入し日本語のチラシももらいました。今度は寺院とは逆に広場から左へ崖沿いに進んで、ケチャッ・ダンス公演の席を確保しましょう。時間ももうすぐ午後6時、夕日が傾きはじめまています。
夕日をバックに公演スタート
毎日公演があるというのに、ここのケチャッ・ダンスはいつも盛況です。ウブドのダンスには「伝統を継承して行く踊り」を感じますが、ウルワツのケチャッはのびのびと自由に「若いエネルギーをめいっぱいぶつけた」エンターテインメントだなあ、と毎回楽しめます。観客をまきこんだコメディもあり、ケチャッのシンボルである円陣も複雑に組み立ててあったり、クライマックスはたいまつをこれでもかと使用する炎の中での大団円!
観客はいろいろな国からやって来た、言葉も違う人達なのに、みんなで一緒に楽しんで、公演が終わっての帰りの参道は興奮して叫ぶ人、「楽しかったね~」と笑顔がこぼれる人たちがいっぱいです。
ウルワツ寺院は「絶景」「サーフポイント」「野性ザル」「ケチャッ・ダンス」と楽しめるイベントいっぱいのお寺です。「観光地になってるお寺詣ででしょ?」なんて食わず嫌いせずにぜひ訪れてみてください。お待ちしています。さあ夜になってしまいました。帰りはジンバランのイカン・バカールでもお腹いっぱい食べに行きましょうか、ね!以上、バリ島ナビでした!