プライベートな時間と自分たちのためだけのサービスが受けられる「プライベート・ヴィラ」。ホテル・ステイとの違い、ヴィラのオススメ・ポイントをバリ子が体験レポートします!
こんにちは、バリ子です!海外旅行に出かける際に、飛行機のチケットの次に大事なのは滞在先。どんなに毎日楽しい予定を組んでも、滞在先に不満があるとせっかくのホリデイも満足度半減というものではないでしょうか。バリは世界中から観光客の集まる場所として宿泊施設も予算やロケーション、機能などから様々なタイプの宿が揃い、その数も過剰ではないかと思うくらいにあります。バリ子も以前は出発前に予約せずに、バリに着いてから宿探しをすることもありましたが、まず今晩の宿が見つからない!ということはありません。もともとそんな状況なのですが、バリ島の宿泊施設の建築ラッシュは収まるばかりかどんどん増えているのが現状。今では「まさか、こんな所にまで!?」というような場所にでもホテルの建設が行われていたり、他との差別化に、どんどん進化を続けているバリのアコモ事情、今日はそんな中から日本人にはまだまだ馴染みの薄い「プライベート・ヴィラ」のご紹介をしたいと思います。
「ヴィラなんて、ずいぶん前からブームになっているから知らない人なんていないよ~!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。バリ子が勝手にバリの宿泊施設をカテゴライズすると、下記の3つに分かれます。
1 ロスメンやバンガローを含めた安宿「ゲストハウス」
2 大型リゾートから町中の手軽な料金までの様々な「ホテル」
3 プライベート・ヴィラ
「プライベート・ヴィラ」は、日本語で言うと「別荘」。バリにあるプライベート・ヴィラはその多くが外国人オーナー。自分がホリディでバリに滞在するために建て、滞在しない期間にレンタルをしている別荘なのです。そのためベッドルーム数はヴィラによって異なりますが、基本的には1棟だけ、1日に1組のお客様しか滞在できない本当にプライベートな時間を過ごせる空間なのです。
パッケージ・ツアーでもよく見かける1つの敷地にたくさんのヴィラがあるものや、大型ホテルの1つのカテゴリーとしてヴィラになっているものは、本来は「ホテル・ヴィラ」と呼ばれ、ちょうど2と3の間にあたるホテルの中にあるヴィラ・タイプのお部屋ということになり、日本人にはこちらの方が利用度が高いのです。
それではさっそくプライベート・ヴィラについて詳しくご紹介していきますが、わかりやすいように、バリ子がなごじるちゃんと宿泊したウルワツの「カラン・クンバール」の滞在レポートと合わせておおくりします!
「カラン・クンバール」はウルワツの手前、ウンガサンからドリーム・ランドと反対側にある断崖絶壁側に位置します。そこまでたどり着くまでは、もしバリ子が初めてバリに来てこの道を通ったなら、本当にヴィラにたどり着くのかどうか間違いなく心配になるような舗装もされていない道と、乾燥した土地に中心地では見たことのない木が茂っている荒れた土地を通って行きます。プライベート・ヴィラのロケーションは市街地から離れた絶景のロケーションが多く、特に欧米人オーナーに好まれるのはサンセット・ビュー。そのため現在ヴィラの建設が盛んなのはこのウルワツ・エリアとチャングーエリア。ウルワツは崖の上から広大なインド洋に落ちるサンセットが楽しめ、チャングーは黒砂ですがまだまだビーチ・フロントのヴィラの土地があるだけではなく、広大なライス・フィールド・ビューも人気です。
ヴィラに近づいてくると、周りにはいくつか他のヴィラも見えてきます。その中にはヘリ・ポートまである広大な敷地のヴィラもあるんですよ!「カラン・クンバール」に到着すると、まずはウェルカム・ドリンクでお出迎え。その間に荷物はスタッフがヴィラまで運び入れてくれます。ヴィラ・マネージャーのカデさんがチェック・インとヴィラの説明をしてくれるのですが、私となごじるちゃんの心はもう目の前の海にくぎ付け!ヴィラのプールと海と空の青のコントラストに、しょっぱなからリゾート気分がはじけてます!!崖の高さは何と90メートルもあるそう。天気がとってもいいのもあって、眼下に広がる海は遥か彼方まで続き、白い波がさわやか~。晴れ渡った空にかかる白い雲と見間違うのではないかと思うくらい。
絶景を満喫したら、本日のお部屋を選びに。まずは全室なごじるちゃんとチェックです!カラン・クンバールは4ベッドルーム+1チャイルド・ベッドルームがあり、マスター・ベッドルームとチャイルド・ベッドルームは海に向かってリビングルームのある棟の左側に。その他のベッドルームは右側にあります。こんなにたくさんベッドルームがあるから、バリ子がマスター・ベッドルームで、なごじるちゃんがゲスト・ベッドルームでと分かれて寝ることに決定。
寝室が決まれば、あとはひたすらの~んびりするのみ。今回はたった1泊しかしないし、絶景とは言え僻地のロケーションなので、外出するのがもったいないのでね。カラン・クンバールでは宿泊料1泊毎に1日8時間までの無料カーチャーターが含まれているので、外出したい人にも便利です。
さてさて、ひたすらプール・サイドでダルダルしている私たちですが、この数時間、口を動かすこととプールで泳ぐ以外は、本当に全く何にもしていません。ヴィラ・スタッフがいつでもすぐに声をかけられる所にスタンバイしてくれているので、喉が乾けば「すみません、コーヒー入れて下さいな」とか、「冷蔵庫にいれてもらったボトルの麦茶、一杯グラスに入れて持ってきて下さる?」とお願いするだけでいいんですもん。内線電話で飲み物をオーダーする必要も、レストランまでわざわざ飲みに行く必要もないんです。しかも気がつけば、飲み終わったカップもいつの間にか片付けられているし。エセ・セレブ気分満喫で、言葉づかいまで少しセレブ気取りのバリ子(笑)。こういうちょっとしたことで日頃のストレスが発散できてしまうんです。ああ~、幸せっ!悲しいかな、日頃人に頼み慣れていないバリ子、何かしたい時に思わず自分でやってしまうところに育ちが表れてしまいます。
夕焼けに空が染まり始めても、まだまだバリ子となごじるちゃんのダルダル・タイムは終わりません。そんな頃、ヴィラのキッチンではディナーの準備が。プライベート・ヴィラでは、食事のメニューが一切置いていなく、朝食からディナーまで、好きな食事をシェフにオーダーするスタイルが一般的。いくらかのデポジットを預けておけば、そのお金で買い物をしてきてくれて、食事を作ってくれるんです。なので、「味は少し甘めにしてほしい」とか、「これにはエビをいれてほしい」などと味付けや食材までも、どこまでも自分好みに仕上げてもらえるんです。感激ですよね~。買い物に時間がかかるために通常は前日までにメニューを決めてシェフに伝えます。チェック・イン当日のディナーなどの場合は、予約の際にリクエストすることになります。そんなスペシャル・リクエストをすると、高ついてしまうのでは…という心配は御無用!食材の費用の他には買い出しなどのサービス料として、10~20%程度の追加料金が加算されるのみで、レストランで食べるよりも割安感さえも感じられるほど。しかもプライベート・ヴィラのシェフは、ホテルやレストランでの経験がある人が多く、料理の腕前も一流なんです。カラン・クンバールの場合はメニューがあるので、バリ子たちは事前にディナーをリクエスト済み。でも、メニューにないものでもリクエスト可能で、臨機応変に対応してくれます。
プール・サイドまでいい匂いが漂ってきたので、ちょっとキッチンをのぞいてみることに。手際よく調理を進めるシェフ、メインのサーモンをちょうど焼いているところですが、もうすでにおいしそう!盛り付けもきれいで、出来上がりが楽しみです。別のスタッフは夜のデコレーションの準備。建物の中やプール際にキャンドルを並べています。テーブルの上にはこんな可愛いキャンドルたちも。ディナー用のテーブル・セッティングもしてくれて、同じリビング・エリアなのにさっきまでとは雰囲気がガラっと変わり、とってもムーディな空気が流れ始めました。食事のサーブをしてくれる女性スタッフは、ディナーのために制服も着替えて、ずっと同じ所にいるのに、外に食事に出たような新鮮な気分を味わえるのもヴィラの心づかい、こんなちょっとしたおもてなしの気持ちが滞在を思い出深いものにしてくれる魔法なんですよね。感激だわ~。
お待ちかねのディナー・タイムです!本日のメニューはパンプキン・スープのレモングラス風味、タイ・ビーフ・サラダ、サーモンのクリーム・ソース、そしてデザートにパンナコッタ。見た目にも美しく、味もとってもおいしい!プライベート・ヴィラに初めて泊まるなごじるちゃん、何度説明してもずーーっと「ねぇ、ごはん本当に大丈夫なの?変なの出てきたりしない?」と心配していましたが、ロマンティックな雰囲気で頂くおいしい料理に大満足してくれたようです。
食事が終われば、今度はベッドルームへ移って女2人はまたおしゃべりに花を咲かせ、気が付いたらもう2時!ちょっと夜風にあたりに外へ出てみると、そこには満天の星が広がっていました。遠くには月も見え、その月明かりがインド洋に静かに映り、詩的なくらいに美しく、静かに眺めていました。
翌朝起床して、まず目に飛び込んできたのは朝日を受けて輝く波。今日もまだ別世界にいる幸せをまずは再確認。朝食はシンプルにスクランブルエッグとトースト、フレンチ・トーストにフレッシュ・フルーツ。
そして振り返れば何やら料理の仕込みをしています。…フフフ、実は昨晩のディナーの後に、今日のランチのリクエストをしておいたんです。ディナーが西洋料理だったので、ランチにはインドネシア料理をお願いしました。今朝のうちに買い物を済ませてもう下準備を始めてくれています。今日のバリ子の午前中の予定は、「インドネシア料理教室」。ランチの準備を一緒にさせてもらいたいとお願いしました。準備ができるまでは、なごじるちゃんとベッドルームで持参のDVD鑑賞会を。
散々笑って泣いてしていると、スタッフが「準備ができました」とお迎えに。今日のメニューはサテ・リリット(魚のミンチのつくね)、ウラッブ(茹で野菜のココナッツ・フレーク和え)、ペペス・イカン(魚をバナナの葉で包んだ蒸し焼き)、スプ・クパラ・イカン(フィッシュ・ヘッド・スープ)。
シェフのロドラさんが丁寧に教えてくれて、他のヴィラ・スタッフとみんなで一緒に作ります。わざわざ外のクッキング・スクールに行かなくても、ヴィラで休憩したり、好きなものを飲んだり食べたりしながらのマイペースな料理教室。おしゃべりしながら和気あいあいとした雰囲気です。
出来上がりはこちら。どうですか、美味しそうでしょ?自分で作ると美味しさもまた倍増。
午後からはマッサージの予約も入れてあります。プライベート・ヴィラでは外部からテラピストを呼んで、マッサージをしてくれるのが一般的。ここ「カラン・クンバール」にもマッサージのリストが置いてあり、希望の時間にテラピストがヴィラまで来てくれます。ヴィラ内の好きな場所でトリートメントを受けられるのですが、マスター・ベッドルームの棟にはチャイルド・ベッドルームの他にマッサージ・ルームもあり、今日はそこでボディ・マッサージを。至福のマッサージが終わった後に、また車で移動したりということもなくそのまま余韻を味わえるのは、かなりポイント高いです。マッサージも十分堪能して、バリ子となごじるちゃんの「カラン・クンバール」での1泊は幕を閉じました。
こう考えると、観光以外は何でもヴィラにあり、外出する必要もないくらいですよね。ご紹介した「カラン・クンバール」をはじめプライベート・ヴィラの長所は、そこにある全てのものが滞在する1組のゲストのために存在します。自分たちの好みに合わせてスタッフが動いてくれて、サービスが提供されます。他のゲストのために時間を変えたり、人の目が気になったりなどということは全くないのです。なので家族旅行でのんびり落ち着いた滞在を求める方や卒業旅行で気の合った仲間たちだけでワイワイやりたいというグループにはオススメです。
もともと個人の別荘だけあって、プライベート・ヴィラのこだわりやインテリアはそれぞれのオーナーの趣味が反映されているのも面白いところです。ワイン好きなオーナーのヴィラには、売っているのかと思うくらいに大量のワインを保管する地下貯蔵庫があったり、ビリヤードや本格的なホームシアターがあるところなどもあります。
また、ウェディングやパーティなどのファンクションの受け入れもしているので、自分たちだけのオリジナリティのあるイベントにも適しています。
これだけ特別な時間を過ごすことのできるプライベート・ヴィラですが、欧米人ゲストに比べて日本人ゲストが少ないのにはいくつか理由があります。まずは、ほとんどのヴィラでは日本語が通じません。そして、ロケーション。絶景だけあって、中心地からは少し離れた立地のヴィラが多いので、気の向いた時にフラッとショッピングや食事に出かけたいという人には向きません。そしてミニマム・ステイの規定があること。プライベート・ヴィラのほとんどでは最低宿泊日数が設定されており、ロー・シーズンであれば2・3泊からでも宿泊できますが、ピーク・シーズンになると最低1週間からという設定があるヴィラもあり、日本の一般的な短い休暇では、この規定にひっかかってしまうことも。
そんな理由からも、ホテルと同じく1泊から宿泊することのできる「ホテル・ヴィラ」は日本人ゲストには利用しやすいと言えるのかもしれません。また、ホテル・ヴィラはお部屋のタイプはヴィラと言えどもやはりホテル。敷地内にはプライベート・プール以外にも大きな公共プールがあったり、スパや複数のレストランがあったりと、施設の充実面は大きな魅力ですよね。
プライベート・ヴィラとホテル・ヴィラの違いを簡単にご紹介しましたが、昨今のヴィラ事情はこんなに明確にはカテゴライズできなくなってきています。ホテル・ヴィラでもよりプライベート・ヴィラに近いサービスを提供するところもあれば、プライベート・ヴィラとは言え、もともとレンタルを目的として建てられた複数棟があるコンプレックス・ヴィラや、ホテルのように食事やドリンクのメニューがあらかじめ用意されているホテルに近いサービスを提供するところもあり、バリのホテル・ヴィラ事情を反映するように多様化しています。
しかし、いろんな選択肢があるのは泊まる側にとっては嬉しいこと。出発前にどんなところに泊まろうかといろいろ悩むのも海外旅行の醍醐味の一つではないでしょうか?バリ子の場合は計画を立てている時が一番楽しいです(笑)。バリに一緒に来るメンバーや滞在中の行動などを考えながら、自分たちに合った滞在先をじ~っくりと考えてみてください。物価が安いバリなので、豪華なプライベート・ヴィラも日本ではありえない料金で宿泊できます。是非セレブ気分を味わって頂きたいです。
以上バリ子でした~!
その他情報
【Karang Kembar Estate】
www.bali-karangkembarestate.com
レポーター: バリ子
趣味: 旅行。食べること。スパめぐり。 コメント: バリに住みついて8年。日帰りの島内旅行からインドネシアの国内旅行まで、暇を見つけてはフラフラと遊び呆けています。
現在: 撮影のコーディネイト、プライベート・ヴィラでのウェディングやパーティなどのイベントの企画・手配の仕事をしています
上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2009-05-25